SCIENCE

カントールの対角線論法と無限

2009年11月5日

数学の入門書を読んで、無限について考えさせられました。

無限というのは不思議なもので、たとえば自然数(1,2,3,4...)の集合と偶数(2,4,6)の集合は普通に考えると偶数より自然数の集合の方が2倍ほど多いように感じますが、両方とも無限と考えると、自然数と偶数は一対一で対応します。

1  2  3  4  ...
2  4  6  8  ...

これを数学では、自然数の集合と偶数の集合は濃度が同じ、という風に言います。

そんなはずはないと思いつつも、無限に続くんだから自然数と偶数は一対一で対応する、濃度が同じなんだーと軽い気持ちで納得してしまいました。

上記のような軽い気持ちで納得していると、自然数と0以上1未満の実数も対応することになります。そんなお調子者をいさめるために、カントールの対角線論法という数学上のテクニックが用意されていました。

たとえば次のように全ての自然数と0以上1未満の実数を対応させることができたと仮定しましょう。ちなみに、実数とは0.5や1/2といった有理数と、ルート2やπといった無理数を合わせたものです。

自然数 実数
1    0.1987...
2    0.8341...
3    0.7387...

この対応表に、さらに追加できる実数があったとしたら、この対応表は破綻していることになり、一対一で対応しないことになりますよね?

それでは、対応表にはない、0以上1未満の隠れた実数を見つけてみましょう。
無限に並べた対応表からどれにも当てはまらない実数を見つけるのは無限に大変ですが、簡単な方法で見つけることができると証明することができます。

先ほどの実数の並びですが、左上から右下に向かう1本の対角線があるとします。

0.1987...
0.8341...
0.7387...
...

この対角線上には、上から"1"987...、8"3"41...、73"8"7...と無限に並んでいます。この無限の数を次の規則で変換します。

規則1 偶数のときは、値を1に変換する。
規則2 奇数のときは、値を2に変換する。

すると、次のような無限の実数が得られます。

0.221...

この値は、1行目の実数とは小数第1位が異なり、2行目の実数とは小数第2位が異なります。以下同様で、対応表を変換した実数は対応表にはないことが証明できます。

というのがカントールの対角線論法を使った、自然数と0以上1未満の実数が一対一で対応しないことの証明です。

とはいえ、無限の表が完成した後に実数を追加しているので、無限の表が完成したという仮定は成立していないということになるなどとも書かれていて・・・。とはいえ、とはいえ、カントールは実無限という考え方で証明しているので、矛盾はしていないそうなんですが、その実無限というのは便宜的に無限を定義しているので、それは大丈夫なのかなーと思ったり、もう、これ、何ですかね?ちゃんと数学理解していないとよくわからないですね。

無限集合の濃度について補足です。自然数は可算濃度といって、1、2、 3 … と順番に数えていくことができます。同様に、整数、偶数、奇数、有理数はいずれも可算できます。
実数は連続体濃度です。対角線論法によって自然数と濃度が違う(連続体濃度 > 可算濃度)と証明されています。

おまけに、『アキレスと亀』としても知られているゼノンのパラドックスを紹介しますね。

あるところにアキレスと亀がいて、二人は徒競走をすることとなった。しかしアキレスの方が足が速いのは明らかなので亀がハンデをもらって、いくらか進んだ地点(地点 A とする)からスタートすることとなった。
スタート後、アキレスが地点 A に達した時には亀はアキレスがそこに達するまでの時間分先に進んでいる(地点 B)。アキレスが今度は地点 B に達したときには亀はまたその時間分先へ進む(地点 C)。同様にアキレスが地点 C の時には亀はさらにその先にいることになる。この考えはいくらでも続けることができ、結果、いつまでたってもアキレスは亀に追いつけないことになる。

ムキになって反論しなくて大丈夫です。あくまで、現実ではアキレスは簡単に亀を追い越すことを知っているうえで、無限を導入すると上記のようなパラドックスがありますよー的な感じの話です。1メートルと2メートルは有限な区間ですが、1.1352...メートルと無限に小さな単位の距離があるとすると、このパラドックスのように無限の罠が待ち受けています。

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