Science

アキレスと亀

アキレスと亀』としても知られているゼノンのパラドックスを紹介します。

あるところにアキレスと亀がいて、二人は徒競走をすることとなった。しかしアキレスの方が足が速いのは明らかなので亀がハンデをもらって、いくらか進んだ地点(地点 A とする)からスタートすることとなった。
スタート後、アキレスが地点 A に達した時には亀はアキレスがそこに達するまでの時間分先に進んでいる(地点 B)。アキレスが今度は地点 B に達したときには亀はまたその時間分先へ進む(地点 C)。同様にアキレスが地点 C の時には亀はさらにその先にいることになる。この考えはいくらでも続けることができ、結果、いつまでたってもアキレスは亀に追いつけないことになる。

これは、現実ではアキレスは簡単に亀を追い越すことを知っているうえで、無限を導入すると上記のようなパラドックスがありますよ、的な感じの話です。1メートルと2メートルは有限な区間ですが、1.1352...メートルと無限に小さな単位の距離があるとすると、このパラドックスのように無限の罠が待ち受けています。

距離の単位に最小値がない場合、アキレスと亀の距離が5メートルだとしても、その線は無限個の点の集まりになります。そうするとアキレスは亀の位置まで無限個の点を通過しなければなりません。この考えでいくと、亀は1歩も動かなくてもアキレスに抜かれることはありません。

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