SELECT構文
SELECTはテーブルからレコードを取得するための命令文で、SQL命令文の中で最も使用頻度が高いといえます。SELECTには数多くのキーワードが用意されていますが、その中でもGROUP BY、LIMIT、ORDER BY、WHEREは特に重要です。
SELECT構文
SELECT [STRAIGHT_JOIN]
[SQL_SMALL_RESULT] [SQL_BIG_RESULT]
[SQL_BUFFER_RESULT]
[SQL_CACHE |
SQL_NO_CACHE] [SQL_CALC_FOUND_ROWS] [HIGH_PRIORITY]
[DISTINCT|
DISTINCTROW |
ALL]
フィールド名 / 式 [ AS 別名 ], ...
[INTO {OUTFILE |
DUMPFILE} 'ファイル名' オプション]
[FROM テーブル名
[WHERE 条件式]
[GROUP BY {整数
| フィールド名| 式} [ASC |
DESC], ... [WITH ROLLUP]]
[HAVING 条件式]
[ORDER BY {整数
| フィールド名| 式} [ASC |
DESC] ,...]
[LIMIT [オフセット,]
行指定]
[PROCEDURE
手続き名(属性一覧)]
[FOR UPDATE
| LOCK IN SHARE MODE]
]
SELECT構文の基本構成は、SELECT句の次に表示させたいフィールド名のリストを並べます。ここで指定したフィールドの値が結果として返されます。フィールド名の変わりにメタ文字のアスタリスク( * )を使用すると、すべてのフィールドの値が返されます。
続いてFROM句では、参照するテーブル名を指定します。FROM句以降はオプションとして、条件式を設定するWHERE句や、レコードをグループ化するGROUP BY句、レコードの表示順を設定するORDER BY句を追加設定していきます。
SELECTの使い方
SELECTを使う前の準備
ここでは、顧客テーブル(テーブル名=customer)を作成し、そのデータを使って説明していきます。まずは準備としてCREATE TABLEとINSERTでテーブルの作成とデータの挿入をしておきましょう。
顧客(customer)テーブルの作成とデータの挿入
# 顧客テーブルの作成 CREATE TABLE customer ( id_c int unsigned NOT NULL auto_increment, fullname varchar(40) NOT NULL, age tinyint unsigned NOT NULL , sex tinyint unsigned NOT NULL, email varchar(50), PRIMARY KEY (id_c) );
# データの挿入 INSERT customer SET fullname='エラ・フィッツジェラルド',age='48',sex='2',email='ella@exsample.jp'; INSERT customer SET fullname='トミー・ゲレロ',age='34',sex='1',email='tommy@exsample.jp'; INSERT customer SET fullname='マディ・ウォーターズ',age='55',sex='1',email='muddy@exsample.jp'; INSERT customer SET fullname='エディ・ロバーツ',age='28',sex='1'; INSERT customer SET fullname='マーサ・リーブス',age='38',sex='2',email='martha@exsample.jp'; INSERT customer SET fullname='スライ・ストーン',age='34',sex='1';
上記命令文で作成されるテーブルは次のようになります。
顧客(customer)テーブル
顧客ID (id_c) |
フルネーム (fullname) |
性別 (sex) |
年齢 (age) |
|
---|---|---|---|---|
1 | エラ・フィッツジェラルド | 2 | 48 | ella@exsample.jp |
2 | トミー・ゲレロ | 1 | 34 | tommy@exsample.jp |
3 | マディ・ウォーターズ | 1 | 55 | muddy@exsample.jp |
4 | エディ・ロバーツ | 1 | 28 | |
5 | マーサ・リーブス | 2 | 38 | martha@exsample.jp |
6 | スライ・ストーン | 1 | 34 |
顧客テーブルの性別には"男性"と"女性"という属性がありますが、ここでは、それらの値を数値に対応させてフィールドに格納しています。値が1の場合は男性、値が2の場合は女性を意味します。
性別のように、いくつかの決まった文字列が複数のレコードで繰り返し使われる場合、一般的に、その文字列を数値と対応させて、フィールドには数値の方を格納するといった方法がよく使われます。理由としては、文字列で管理するよりも、数値で管理したほうがデータ容量が少なくて済み、検索処理で発生する負荷を軽減させることができるからです。
SELECT命令文で全レコードを選択
SELECT命令文を使ってテーブルに登録された全レコードを選択する場合は、SELECTの後に続くアスタリスク( * )を指定し、FROMで表示対象のテーブル名を指定します。
SELECT * FROM テーブル名;
アスタリスク( * )は全フィールドを意味し、蒸気の命令文で使った場合、選択されたレコードの全フィールドを表示します。表示フィールドの数が多いほど、処理の負荷が高くなりパフォーマンスが低下しますので、注意してください。
顧客(customer)テーブルから全レコードを選択するには、下記のように簡単な1行命令文になります。
SELECT * FROM customer; +------+--------------------------------------+-----+-----+--------------------+ | id_c | fullname | age | sex | email | +------+--------------------------------------+-----+-----+--------------------+ | 1 | エラ・フィッツジェラルド | 48 | 2 | ella@exsample.jp | | 2 | トミー・ゲレロ | 34 | 1 | tommy@exsample.jp | | 3 | マディ・ウォーターズ | 55 | 1 | muddy@exsample.jp | | 4 | エディ・ロバーツ | 28 | 1 | NULL | | 5 | マーサ・リーブス | 38 | 2 | martha@exsample.jp | | 6 | スライ・ストーン | 34 | 1 | NULL | +------+--------------------------------------+-----+-----+--------------------+ 6 rows in set (0.00 sec)
顧客(customer)テーブルに登録されいている全レコードの全部の値が表示されました。
表示するフィールド名を指定
クエリを発行する際は、無駄な処理でリソースを消費しないように、必要なレコード、必要なフィールドを指定します。たとえば顧客テーブルから[姓名(fullname)]のみが必要な場合は、アスタリスク( * )ですべてのフィールドを指定せずに、[姓名(fullname)]のみを指定します。
表示するフィールドを指定するには、SELECTの後にフィールド名を指定します。
SELECT フィールド名 FROM テーブル名;
下記では、顧客(customer)テーブルから[姓名(fullname)]フィールドの値のみを表示させるために、SELECTにフィールド名の"fullname"を指定しています。
SELECT fullname FROM customer; +--------------------------------------+ | fullname | +--------------------------------------+ | エラ・フィッツジェラルド | | トミー・ゲレロ | | マディ・ウォーターズ | | エディ・ロバーツ | | マーサ・リーブス | | スライ・ストーン | +--------------------------------------+ 6 rows in set (0.00 sec)
複数フィールドの指定
複数のフィールドの値を取得したい場合は、複数のフィールド名をカンマ( , )で区切って指定します。
FROM テーブル名;
顧客(customer)テーブルから、名前と年齢を取り出すときは、次のようにします。
SELECT fullname, age FROM customer; +--------------------------------------+-----+ | fullname | age | +--------------------------------------+-----+ | エラ・フィッツジェラルド | 48 | | トミー・ゲレロ | 34 | | マディ・ウォーターズ | 55 | | エディ・ロバーツ | 28 | | マーサ・リーブス | 38 | | スライ・ストーン | 34 | +--------------------------------------+-----+ 6 rows in set (0.00 sec)
SELECT構文のキーワード
- ALL / DISTINCT
- AS
- ASC / DESC
- GROUP BY
- FOR_UPDATE
- FROM
- HAVING
- INTO OUTFILE
- DUMPFILE
- LIKE
- LIMIT
- ORDER BY
- PROCEDURE
- WHERE
- WITH ROLLUP
ALL / DISTINCT
選択されたすべての行を返す / 選択された行から重複行の削除
ALLはデフォルトのオプションで、選択されたすべての行を返します。DISTINCTは、指定したフィールドの値を調べて、重複した値があれば1行にまとめて返します。
SELECT DISTINCT フィールド名
FROM テーブル名;
ALLはデフォルトのオプションなので、ALLかDISTINCTの指定が無ければ、ALLを選択したことになります。一般的にALLは記述しません。
DISTINCTは選択された全レコードを対象に、指定したフィールドの値を調べて、重複した値があればそれらのレコードを1行にまとめて返します。以下はALLも同様ですが、DISTINCTは1つのSELECT文に1回だけ使うことができます。SELECTの後にDISTINCTを指定し、その後にフィールド名を列挙、もしくはアスタリスク( * )を指定します。
DISTINCTの使い方
# ALL は省略可能 SELECT sex FROM customer; +-----+ | sex | +-----+ | 2 | | 1 | | 1 | | 1 | | 2 | | 1 | +-----+ # DISTINCT を指定 SELECT DISTINCT sex FROM customer; +------+ | sex | +------+ | 1 | | 2 | +------+
DISTINCTの後にアスタリスク( * )を指定した場合、すべての値が同じ場合のみ適用されます。
AS
フィールド名に別名を設定
DBMSの種類によりますが、SELECTを実行すると最初の行に見出しが表示されます。この見出しにあるフィールド名は変更可能で、「フィールド名 AS 別名」 という構文を使用します。ASは省略可能です。
FROM テーブル名;
ASキーワードを使って、[姓名(fullname)]フィールドに"name"という別名を設定してみましょう。
SELECT fullname AS name FROM customer; +--------------------------------------+ | name | +--------------------------------------+ | エラ・フィッツジェラルド | | トミー・ゲレロ | | マディ・ウォーターズ | | エディ・ロバーツ | | マーサ・リーブス | | スライ・ストーン | +--------------------------------------+ 6 rows in set (0.00 sec)
見出しが別名に指定した"name"へ変更されています。
HAVINGで別名を使う
ASを使って作成した別名は、ORDER BY句やHAVING句で利用することができます。たとえば下記は、AVG関数を使って性別毎の平均年齢を計算しています。
SELECT sex, AVG(age) AS avgage FROM customer GROUP BY sex; +-----+----------+ | sex | avgage | +-----+----------+ | 1 | 37.7500 | | 2 | 43.0000 | +-----+----------+ 2 rows in set (0.00 sec)
平均年齢40歳以上のグループのみを表示させるには、上記SELECT文にHAVINGを追加します。その際、ASでつけた別名avgageを利用できます。
SELECT sex, AVG(age) AS avgage FROM customer GROUP BY sex HAVING avgage>38; +-----+---------+ | sex | avgage | +-----+---------+ | 2 | 43.0000 | +-----+---------+ 1 row in set (0.00 sec)
テーブル名も、"テーブル名 AS 別名"を使って表示する名称を変更することができます。テーブル名に別名をつけても一般的なDBMSでは表示上は変化がありませんが、後ほど紹介する自己結合などのときに役立ちます。
FROM テーブル名 AS 別名
ASC / DESC
昇順に並び替え / 降順に並び替え
ASCとDESCは、ORDER BYで指定したフィールドの並び順を変更することができます。昇順の場合はASC(デフォルト)、降順の場合はDESCです。
FROM テーブル名
ORDER BY フィールド名 DESC;
ORDER BYはデフォルトで昇順に並び替えるので、ASCは指定する必要はありません。
ORDER BYでDESCを使う
顧客(customer)テーブルに格納された[年齢(age)]フィールドの値で降順に並び替える場合は、ORDER BY句に[年齢(age)]フィールドを指定し、DESCキーワードを追加します。
# 年齢順に並び替える SELECT fullname, age FROM customer ORDER BY age DESC; +--------------------------------------+-----+ | fullname | age | +--------------------------------------+-----+ | マディ・ウォーターズ | 55 | | エラ・フィッツジェラルド | 48 | | マーサ・リーブス | 38 | | トミー・ゲレロ | 34 | | スライ・ストーン | 34 | | エディ・ロバーツ | 28 | +--------------------------------------+-----+
[性別(sex)]フィールドを昇順で並び替えたデータを、さらに[年齢(age)]フィールドで降順に並び替えることも可能です。
SELECT fullname, sex, age FROM customer ORDER BY sex, age DESC; +--------------------------------------+-----+-----+ | fullname | sex | age | +--------------------------------------+-----+-----+ | マディ・ウォーターズ | 1 | 55 | | トミー・ゲレロ | 1 | 34 | | スライ・ストーン | 1 | 34 | | エディ・ロバーツ | 1 | 28 | | エラ・フィッツジェラルド | 2 | 48 | | マーサ・リーブス | 2 | 38 | +--------------------------------------+-----+-----+ 6 rows in set (0.00 sec)
レコードの並び替え時のNULLの扱い
レコードの並び替え時のNULL値の扱いはデータベースによって異なるので、注意が必要です。SQL Server、MySQLでは、レコードの並び替え時にNULL値を一番小さな値として扱いますが、Oracle、PostgreSQLは一番大きな値として扱います。レコードの並び替えは利用頻度が高いので、移植する際に問題になることがよくあります。NULLが許されているフィールドをソート処理の対象にする際は、十分に注意しましょう。
GROUP BY
フィールドの値や式の値でグループ化
GROUP BYは特定の列のフィールドの値や式の値でグループ化します。グループ化したレコードは、集計関数などを使って各グループの合計値や平均値などを算出することが可能です。
SELECT COUNT(*) FROM テーブル名
GROUP BY フィールド名;
複数のフィールドをグループ化したい場合は、GROUP BYの後に複数のフィールド名をカンマ( , )で区切って指定します。
SELECT COUNT(*) FROM テーブル名
GROUP BY フィールド名, フィールド名, ... ;
GROUP BYの使い方
GROUP BYを使ってcustomerテーブルのsexフィールドの値でグループ化し、COUNT関数で男性と女性毎の合計人数を出力します。
# 男女別に購入点数の合計を計算 SELECT sex, COUNT(*) FROM customer GROUP BY sex; +-----+----------+ | sex | count(*) | +-----+----------+ | 1 | 4 | | 2 | 2 | +-----+----------+
上記では、SELECT句に列の合計値を求めるCOUNT関数を指定し、GROUP BYで集計のキーとなるフィールド名、[性別(sex)]を指定しています。これによって、GROUP BYでグループ化した[性別(sex)]の合計人数を求めることができます。
COUNT関数やAVG関数といった、GROUP BYでよく使う集計関数を紹介します。
集計関数の一覧
関数名 | 解説 |
---|---|
AVG | 平均値を求める |
COUNT | レコード数を求める |
MIN | 最小値を求める |
MAX | 最大値を求める |
SUM | 総和を求める |
FOR UPDATE
選択された行をロックします。ページ/レコードロックとともにテーブルハンドラ上でFOR UPDATEを使用すると、検査されるレコードは書き込みロックされます。
SELECT * FROM customer FOR UPDATE;
FROM
参照するテーブルを設定
FROM句には、選択対象のテーブルを指定します。複数のテーブルを結合したい場合はテーブル名をカンマ( , )で区切って記述します。JOINを使えば、結合条件をFROM句で指定することも可能です。
SELECT * FROM テーブル名;
SELECT * FROM テーブル名, テーブル名, ...;
FROMの使い方
顧客(customer)テーブルの[姓名(fullname)]フィールドの値を全て表示するには、次のような命令文になります。
SELECT fullname FROM customer +--------------------------------------+ | fullname | +--------------------------------------+ | エラ・フィッツジェラルド | | トミー・ゲレロ | | マディ・ウォーターズ | | エディ・ロバーツ | | マーサ・リーブス | | スライ・ストーン | +--------------------------------------+ 6 rows in set (0.00 sec)
顧客(customer)テーブルからすべての[姓名(fullname)]フィールドが出力されました。
HAVING
選択したレコードに対して条件を設定する
HAVING句はWHERE句と同じように、条件にマッチしたレコードを選択します。HAVING句がWHERE句と異なる点は、HAVING句の場合は集計後に条件式を適用するということです。WHERE句は集計前に条件式を適用します。
HAVING句は集計関数とセットでよく使われます。たとえば、顧客(customer)テーブルの[性別(sex)]フィールドでグループ化し、その後、[性別(sex)]ごとに[年齢(age)]の平均を算出する場合、以下のようなクエリになります。
SELECT sex, AVG(age) AS avgage FROM customer GROUP BY sex; +-----+---------+ | sex | avgage | +-----+---------+ | 1 | 37.7500 | | 2 | 43.0000 | +-----+---------+
この後、平均年齢40歳以上の性別だけを選択したい場合は、以下のようにHAVINGで条件を設定します。
SELECT sex, AVG(age) AS avgage FROM customer GROUP BY sex HAVING avgage>40; +------+--------+ | name | total | +------+--------+ | PDA | 350000 | +------+--------+
最頻値の算出
最頻値とは、最も度数( その値を取るデータ数 )の多い値のことです。
たとえば、あるサイトの1週間のページビューを集計した結果、スポットで広告を掲載した月曜日のページビューが50万程度、他の曜日は1万ページビューで、広告があった場合とない場合では50倍以上の差があったとします。1日の平均を計算すると、1週間のトータルが56万ページビューとなり、それを7で割った1日の平均が8万ページビューです。
曜日 | ページビュー |
---|---|
日曜日 | 10,000 |
月曜日 | 500,000 |
火曜日 | 10,000 |
水曜日 | 10,000 |
木曜日 | 10,000 |
金曜日 | 10,000 |
土曜日 | 10,000 |
計算上では1日の平均は8万ページビューとなりますが、広告がなければ、1日の平均は1万ページビューです。このことから分かるように、例外の値が大きい場合は、平均値も大きく影響されます。こういうケースでは、集団の傾向をもっと正確に示す指標、たとえば最頻値を使うとよいでしょう。最頻値は単純に最も多かった値になるので、ページビューの最頻値は1万となります。
DBMSによっては、最頻値を求める独自の関数を用意している場合もありますが、HAVINGを使って、最頻値を求めることもできます。customerテーブルの年齢の最頻値を求める場合、以下のようなSQL文となります。
SELECT age FROM customer GROUP BY age HAVING COUNT(*) >= ALL(SELECT COUNT(*) FROM customer GROUP BY age); +-----+ | age | +-----+ | 34 | +-----+
INTO OUTFILE / DUMPFILE
選択された行をファイルに書き込む
SELECT ... INTO OUTFILE "ファイル名"
構文は、選択された行をファイルに書き込みます。既に存在するファイルには書き込めません。SELECT ...
INTO OUTFILEで書き出したファイルは、LOAD DATA INFILEで読み込むことができます。
オプションの構文は、LOAD DATA INFILE 構文で使われるFIELDSやLINESと同じです。詳しくは【LOAD
DATA INFILE 構文】を参照してください。
一番簡単な INTO OUTFILE の利用法です。
SELECT * INTO OUTFILE "c:/customer.txt" FROM customer;
"customer.txt"ファイルの中身は次のようになります。
1 エラ・フィッツジェラルド 48 2
2 トミー・ゲレロ 34 1
3 マディ・ウォーターズ 55 1
4 エディ・ロバーツ 28 1
5 マーサ・リーブス 38 2
6 スライ・ストーン 34 1
INTO OUTFILEを使うとき、エスケープ・キャラクタ、ASCIIの0
、全てのターミネータ・キャラクタはエスケープされます。また、オプションの ESCAPED BYで指定した文字、FIELDS TERMINATED BY、LINES TERMINATED BYの最初の文字をエスケープします。
次は、CSV形式のファイルを作成するためのオプションです。
SELECT * INTO OUTFILE "/home/user/dump.txt" FIELDS TERMINATED BY ',' OPTIONALLY ENCLOSED BY '"' LINES TERMINATED BY "\n" FROM table;
SELECT ... INTO OUTFILEはローカルで使用されることを前提に最適化されているので、別のホスト上では使用できません。その場合は、mysqldump
--tab や mysql -e "SELECT ..." > outfile を代わりに使ってください。
INTO OUTFILEの代わりにINTO DUMPFILEを使用すると、
ファイルに1レコードだけを書きます。フィールドや行の終端とすべてのエスケープを含みません。これはファイル内にBLOBを格納したい場合に便利です。
※INTO OUTFILEとINTO DUMPFILEによって生成されたファイルは、すべてのユーザに読み出し可能です。
LIKE
ワイルドカードを使った文字列検索
LIKEは、WHEREの条件式内で、ワイルドカードを使った文字列検索に使用できます。
LIKEの詳しい情報は【WHEREでレコードを検索する】を参照してください。
LIMIT
選択された行数の件数指定
LIMITを使って、SELECTが返す行数を指定することができます。LIMITは、2つまでの引数を受け付けます。
SELECT * FROM テーブル名
LIMIT 件数;
SELECT * FROM テーブル名
LIMIT 最初の行からのオフセット, 最大数;
引数が1つの場合は、行の最大数を指定したことになります。
# 3行まで返す SELECT * FROM customer LIMIT 3; +------+--------------------------------------+-----+-----+-------------------+ | id_c | fullname | age | sex | email | +------+--------------------------------------+-----+-----+-------------------+ | 1 | エラ・フィッツジェラルド | 48 | 2 | ella@exsample.jp | | 2 | トミー・ゲレロ | 34 | 1 | tommy@exsample.jp | | 3 | マディ・ウォーターズ | 55 | 1 | muddy@exsample.jp | +------+--------------------------------------+-----+-----+-------------------+ 3 rows in set (0.00 sec)
引数が2つの場合は、最初の引数は最初の行からのオフセット、2つめの引数は行の最大数です。初めの行のオフセットは 0
です。
# 3~4行目を返す SELECT * FROM customer LIMIT 2, 2; +------+--------------------------------+-----+-----+-------------------+ | id_c | fullname | age | sex | email | +------+--------------------------------+-----+-----+-------------------+ | 3 | マディ・ウォーターズ | 55 | 1 | muddy@exsample.jp | | 4 | エディ・ロバーツ | 28 | 1 | NULL | +------+--------------------------------+-----+-----+-------------------+ 2 rows in set (0.00 sec)
ORDER BY
フィールドの値でレコードの順番を並び替え
ORDER BYは、指定したフィールドの値で行をソートします。ORDER BYの後に並び替えしたい列のフィールド名、もしくは式を指定します。
SELECT * FROM テーブル名
ORDER BY フィールド名
顧客(customer)テーブルを[年齢(age)]フィールドで昇順、降順に並び替えてみましょう。
# 顧客(customer)テーブルを[年齢(age)]フィールドで昇順に並び替え SELECT fullname, age FROM customer ORDER BY age; +--------------------------------------+-----+ | fullname | age | +--------------------------------------+-----+ | エディ・ロバーツ | 28 | | トミー・ゲレロ | 34 | | スライ・ストーン | 34 | | マーサ・リーブス | 38 | | エラ・フィッツジェラルド | 48 | | マディ・ウォーターズ | 55 | +--------------------------------------+-----+
ORDER BY句はデフォルトで昇順に並び替えますが、フィールド名の後にDESCをつけることで、並び順を降順にすることができます。
# 顧客(customer)テーブルを年齢で降順に並び替え SELECT fullname, age FROM customer ORDER BY age DESC; +--------------------------------------+-----+ | fullname | age | +--------------------------------------+-----+ | マディ・ウォーターズ | 55 | | エラ・フィッツジェラルド | 48 | | マーサ・リーブス | 38 | | トミー・ゲレロ | 34 | | スライ・ストーン | 34 | | エディ・ロバーツ | 28 | +--------------------------------------+-----+
複数のフィールドをカンマ( , )で区切って列挙することもできます。その場合は、指定された先頭のフィールドから順に並び替えられます。
SELECT * FROM テーブル名
ORDER BY フィールド名1, フィールド名2, ...;
顧客(customer)テーブルを[性別(sex)]フィールドで並び替えてから、[年齢(age)]フィールドで昇順に並び替えてみましょう。
SELECT fullname, sex, age FROM customer ORDER BY sex, age; +--------------------------------------+-----+-----+ | fullname | sex | age | +--------------------------------------+-----+-----+ | エディ・ロバーツ | 1 | 28 | | トミー・ゲレロ | 1 | 34 | | スライ・ストーン | 1 | 34 | | マディ・ウォーターズ | 1 | 55 | | マーサ・リーブス | 2 | 38 | | エラ・フィッツジェラルド | 2 | 48 | +--------------------------------------+-----+-----+
PROCEDURE
PROCEDURE節には、結果セット内のデータの処理に使用するプロシージャを指定します。
WHERE
条件にマッチしたレコードからフィールドの値を取得
条件がTRUEとなる行だけを選択します。
任意のフィールドから、条件にマッチしたデータのみを取得するには、WHEREに条件式を指定します。
条件式は検索フィールドのフィールド名と演算子、関数などを使って表現します。たとえば、顧客(customer)テーブルの中から女性の名前を全て表示する場合を考えてみます。
たとえば、顧客(customer)テーブルの中から女性(sex=2)の名前(fullname)を全て表示するには次のような命令文になります。
SELECT fullname FROM customer WHERE sex=2;
顧客(customer)テーブルを設計する際、性別フィールドの値が男性の場合は数値の1、女性の場合は数値の2と定義しました。そのため、女性のみを選択したい場合は、WHEREに"sex=2"という式を指定します。WHEREの詳しい使い方は、【WHEREでレコードを検索する】を参照してください。
出力結果は下記の通りです。
| fullname |
+--------------------------------------+
| エラ・フィッツジェラルド |
| マーサ・リーブス |
+--------------------------------------+
2 rows in set (0.01 sec)
WHEREの詳しい情報は【WHEREでレコードを検索する】を参照してください。
WITH ROLLUP
GROUP BYにはWITH ROLLUP修飾子を使用できます(MySQLバージョン4.1.1以降)。
独自拡張構文と実装していない構文
パラメータ | 説明 |
---|---|
ANSI SQL92 に対するMySQL 拡張構文 | |
HIGH_PRIORITY | 常にSELECT処理を優先させる。すぐに完了するクエリにのみ適用すること。 |
STRAIGHT_JOIN | FROMで記述したテーブルの順序通りに結合するように指定する。 > SELECT * FROM t1 STRAIGHT_JOIN t2; |
SQL_SMALL_RESULT | GROUP BYかDISTINCTを伴って使用する事ができ、 結果をより小さく最適化するように指示する。 |
SQL_BIG_RESULT | SQL_BIG_RESULTは、GROUP BYやDISTINCTと共に使用する事ができ、結果セットが多くのレコードを持つことをオプティマイザに通知する。 |
SQL_BUFFER_RESULT | 結果をテンポラリテーブルに格納する。これにより、テーブルロックの解除が早くなり、長い時間がかかるような処理結果の送信などを避けることができる。 |
SQL_CACHE |
SQL_QUERY_CACHE_TYPE=2 が指定されている場合、クエリの結果をキャッシュする。 |
SQL_NO_CACHE | クエリの結果をキャッシュしない。 |
SQL_CALC_FOUND_ROWS | SQL_CALC_FOUND_ROWS(MySQLバージョン4.0.0以降)では、LIMIT 節を無視した場合に結果セットに含まれるすべてのレコード数を計算するよう MySQLに指示できる。その後、SELECT FOUND_ROWS()を使用して、計算されたレコード数を取り出せる。 |
MySQLにないSQL構文 | |
OF | 結合内の特定の表の選択された行だけをロックする。 |
NOWAIT | 他ユーザがロックしている行をロックしようとすると、制御が戻される。この句を省略すると、行が使用可能になるまで待ってからSELECT文の結果が戻される。 |